やらおんについて

2014年4月20日日曜日

【コピー】『ノーゲーム・ノーライフ』 ライトノベルを書こうと思ったきっか けは? 作者「ガンです」



















ライトノベルを書こうと思ったきっかけを教えてください!(※初回は編集部からの質問です)



「――ガンです」



 時を遡ること2011年。

 医師にそう宣告された榎宮は、だがどちらかというと脳裏を過ぎったのは締切だった。



 何せ当時は漫画家をやっていたのだ。ぶっちゃけ修羅場だった。締切間際だった。

 ごめん嘘吐いた既に〆切をオーバーしていた。割と担当にケツを蹴られていた。

 そのケツからちょいとタール状の血便が出たもんだから、流石にヤバいかと気楽に検査してみたらこれである。



「あ、あのー、それってぶっちゃけどのくらいやばいですか。漫画の原稿終わるまでとか待てます?」

 そう答えた榎宮を医者は――頭が――末期な患者を視るような眼で眺めて、呆れ気味に答えた。

「即刻、治療に入らなきゃ来年は生きてないでしょう、といえばわかりますかね」



 ……その言葉に、ようやく冷静になり榎宮は内心「わーお」と天井を仰いだ。

 つか冷静に考えなくてもガンつったら、放置すりゃそりゃ死ぬわ馬鹿か、と。

 漫画とイラストの仕事、〆切が続き寝不足で頭が空転していた。そう認める榎宮に医師は続ける。



「というわけで即座に精密検査後、治療をはじめます。しかし進行を考えると海外で――」

「あ、その前にすみません。僕、漫画連載やってんですけどそれは――」

「……入院して検査して手術して~って明らかに無理でしょ、つか状況を理解してますか?」



 ――ああ、理解しているとも。



 つまりこういうことであると、榎宮は冴え渡った思考で結論をだした。

 入院する都合上、アシスタントは使えないし〆切も守るのが厳しい――つまり。



 漫画は無理だが、イラストとラノベを一人でやるぶんにはオッケーだ、と――ッ!



 ……そんなノリでラノベを書きはじめたものの、言うまでもなく――ド素人である。

 ラノベの挿絵を描いていた都合上、多少読んではいたがまず何からやればいいものか。

 考えた末に榎宮はこう結論づけた。

「漫画のプロットは文章だったし、その精度を上げれば何とかなるだろ。たぶん」

 そうして見切り発車ここに極まる、入院中の執筆が始まった次第である。




https://theinterviews.jp/mfj_yuukamiya







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