【コピー】『ガンダムBF』小川P「今の子供はロボの搭乗・操縦に興味がない世
代」「00やAGEと比べてメカのカット数は減ってない」「効率とコストを考える
と今だったらCGにしたほうが早い」


――今回は2クールでしたが、他のガンダム作品のように1年間という考えもあったのでしょうか?
バンダイさんからそのようなお話もありましたが、サンライズ内の全体的な作品のバランスもありますし、制作の感覚的な部分でもあるのですが、無茶をできるのは2クールかなと。
いろんな事情を相談した結果、「まずは2クールをやりきろう」と決まりました。商売の観点から見ると1年間やってくれたほうがプロモーション効果になりますし、他のホビーアニメでもそれが普通なんですが、
映像的にこだわると2クールなんです。結果的にはこれでよかったという手応えを得ています。
(略)
――本作は「00」や「AGE」と比べてメカのカット数は多いほうですか?
減ってはいないという感触ですね。枚数的には普通かなと。かけすぎな話数もありましたが、
一番大事なのはそれがきちんと視聴者に伝わるかです。
作り手側の自己満足で終わるような描写でお金と時間をかけるのはまったくの無駄なので
それは今までの経験があったからこそですし、やっただけの意味はあったかなという 感じですね。
(略)
「ガンプラビルダーズ」では、パイロットスーツを着込んでコックピットに入る描写をしていましたが、そこも一考したところでした。最近はまた乗り込む系のロボット物が増えていますが、「何かに乗って操縦する」というスタイルは作っている側の憧れに過ぎなくて、今の子供からは世代がずれてきているんじゃないか、という話はガンダムを作るときもけっこう出てきました。
車に乗るよりもスマートフォンのほうが欲しいんじゃないかと。ポケモン以降に育った世代からすると、操縦というよりもコントローラーの感覚で、せいぜいゲームセンターのレバーが限界かなと。アームレーカーを使った操縦システムにしたのはその中間点を探っていった感じですね。でも、このシステムが受けたらいつかバンダイさんが本当にこのバトルシステムを作りかねないぞと冗談で言っていましたが(笑)。あれが実用化したらみんなもっとガンプラを買うようになります(笑)。それを代替するのがゲームだったり、低年齢層に普及し ている「トライエイジ」のようなカードゲームかなと。その辺りは「AGE」からバンダイさんといっしょにやってきたことでうまくいった部分かなという気は します。
(略)
――メカってやはり労力がかかるんですね。
効率とコストを考えると、今だったら CGにしたほうが早いと思いますし、視聴者側も昔ほどCGに拒否反応はない気がします。「ダンボール戦機」とか「マクロスF」はCGでうまくいったケース でしょう。
ただ、良くも悪くもガンダムには35年前から付き合ってくれている昔からのファンがいますし
ガンダムを手で描きたいと思うアニメーターさんがいるうちは、その思いには応えてあげたいなという気持ちもあります。もちろん、予算や労力との相談ではありますが、そこをうまいこと現実のラインに乗せるのがサンライズの制作の仕事かなと思います
(略)
――最終回も好評のうちに終えられましたが、今後の展開をお話しいただける範囲で聞かせていただければと思います。
ガンプラ全体が売れるようになったというところでバンダイさんから評価してもらえた作品ですし、ファンの方から何かしらやってほしいという声があるのは承知しています。
とはいえ、富野監督の「ガンダム Gのレコンギスタ」もありますし、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」もあるので、サンライズ内でガンダム作品が多すぎるという社内事情もあったりするのですが、いずれ期待に応えたいかなと思います。ビジネス的な部分で言うと、やっていたほうがガンプラの売り上げは間違いなくよくなるというのが今回わかったので、その辺の具体的な商材をどうするかは一考の余地があるかもしれませんが、やる意味はあるかなと。
ちなみにサンライズの第3スタジオは「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」にも「ガンダム Gのレコンギスタ」にも関わっていない中で、現状仕事が減らないという現状をお伝えして、そこから想像していただきたいということしか今のところは言えない感じです。
http://akiba-souken.com/article/anime/19903/?page=1
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